20、心理学で読み解くアニメの世界

          ユング心理学で読むアニメの世界

            「宇宙よりも遠い場所

 

 

はじめに

 

今回は、13回シリーズのテレビ放映アニメ「宇宙(そら)よりも遠い場所」を取り上げたいと思います。2018年1月から3月にかけてTOKYO-MXなどで放映された、女子高生四人の青春冒険アニメです。

 

南極観測隊員、小淵沢貴子(こぶちざわたかこ)の娘・報瀬(しらせ)が玉木マリと出会うところからこの物語は始まります。青春真只中の玉木マリは、何かしたくてウズウズしています。そんなときに、南極へ行くことに異常な執念を燃やしている報瀬と出会うのです。

 

ほとんど計画など無いに等しいのに“南極へ行くこと”を目標とすることで、不思議といろいろな歯車が動き出します。仲間が増え、チャンスが訪れ、彼女たちは前例のない女子高生同行者となり、南極へ向かいます。

 

報瀬にとって南極へ行くことには深い意味があります。それは南極で行方不明となった母の消息を確認することです。とても辛い旅ですが、シラセは『行かなければならない』と強く信じています。

 

また玉木マリにとっても彼女なりの課題があり、さらに他の二人にとっても…。

 

一旦動き出した歯車は止まりません。女子高生四人は様々な出来事に遭遇しますが、持ち前の明るさとチームワークでその困難を乗り越えていきます。励まし合い、助け合いながら前へ前へと進んで行きます。

 

物語を通じて、主人公ひとり一人の課題や、集団としての四人の関わり合いなどを見つめることで、私たちが抱えるコミュニケーションの在り方や社会との関わりなどについて、様々な思いを巡らせて行きたいと思います。

 

なお、今後この物語を「よりもい」と表記する場合があります。オープニングタイトルの中で“原作よりもい”と表示されていることから、通称としても“よりもい”と呼ばれているためです。短くて便利なので、しばしばこのように表記いたします。

 

 

さて、このレジュメはyoutubeにアップロードされている「宇宙よりも遠い場所【全話】」を基に、勉強会資料として制作しています。動画は各自でご確認ください。なお資料のまとめ方として以下の点にご注意ください。

 

1、次投稿より「だ・である調(常体)」で記述します。

2、各回には漢数字と共に小タイトルを入れて、場面を分りやすくします。

3、物語記載の後「まとめ」として、いくつかの心理学的トピックスなどを取り上げます。

4、※1)などは記述の最後に参考資料として掲載します。

5、※)は筆者のコメントとして、場面直後に記述します。

 

 

では、一緒に南極への旅を楽しみましょう。